岡野武志弁護士

第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。

「刑事事件弁護士アトム」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。

被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。

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強盗で逮捕されたら懲役〇年?初犯で示談できれば執行猶予?逮捕後の流れは?

更新日:
強盗で逮捕
  • 強盗には種類ごとに懲役の年数が違う?
  • 強盗の量刑は様々で執行猶予が付くかはわからない?
  • 強盗で逮捕されたらどうなる?
  • 強盗で逮捕されたらなぜ弁護士に相談した方がいい?

強盗は主に暴行や脅迫という手段で財物を強取する凶悪で危険な犯罪で、場合によっては強盗に際して被害者が死亡したり怪我を負ったりしやすい類型の犯罪です。

強盗にはさまざまな種類があり、強盗罪や強盗致傷罪は懲役刑しか予定されていないことや、強盗の種類によっては死刑もあり得ることからも、重大な犯罪であることがわかります。

強盗事件を起こして逮捕されると起訴・不起訴の判断がでるまで最大で23日間も身体拘束が続くことになり、起訴されれば実刑判決により刑務所に入る可能性があるでしょう。

「家族を強盗容疑で逮捕した」という連絡が警察から入り、どうすればいいのか分からないとお悩みの方は、本記事を最後までご覧ください。

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強盗の種類と刑罰|逮捕されたら懲役〇年?

強盗罪は懲役5年以上

強盗罪(刑法236条)とは、暴行または脅迫という手段で他人の財物をうばう犯罪です。強盗罪の典型例としては、コンビニ強盗や銀行強盗など想像しやすいでしょう。

強盗罪の刑罰は、5年~20年以下の懲役刑です。強盗罪には罰金刑がなく、すべて懲役刑となります。

暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。

刑法236条1項

もっとも、ひったくりも強盗罪で逮捕されることがあります。ひったくりは、通常、窃盗罪で逮捕されますが、事案によっては、強盗罪で逮捕されることがあるのです。

ひったくりが強盗罪になる事案としては、夜間に人通りの少ない場所で、自動車に乗っている容疑者が、被害者のハンドバッグを引っ張って引きずるというようなものがあげられます。

実際に、そのような態様で被害女性にケガを負わせた事件において、強盗致傷罪で有罪になった裁判があります(最高裁判所第三小法廷決定昭和45年12月22日刑集24-13-1882)。

典型例

  • コンビニ強盗
  • 銀行強盗
  • 一部のひったくり

強盗利得罪は懲役5年以上

強盗利得罪(刑法236条2項)とは、暴行又は脅迫という手段で「財産上不法の利益」を自分で得たり、第三者に取得させたりするという犯罪です。物ではなく、利益を得るために暴力をふるったり、脅迫したりしたときに犯罪が成立します。

強盗利得罪の刑罰は、5年~20年以下の懲役です。強盗利得罪の刑罰もすべて懲役刑となります。

前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

刑法236条2項

強盗利得罪の典型例としては、以下のようなものがあげられます。

典型例

  • 代金請求を踏み倒すために、相手を殴る。
  • キャッシュカードを占有する者が、暴行・脅迫を用いて、銀行口座の暗証番号を聞き出す(東京高判平成21・11・16判タ1337-280)。

事後強盗罪は懲役5年以上

事後強盗罪(刑法238条)は、窃盗をした人が被害者や第三者に見つかって、「財物の取返しを防ぐ」「逮捕を免れる」「罪跡を隠滅する」ような目的で事後的に暴行や脅迫を行った場合に犯罪が成立します。

事後強盗罪の刑罰は、5年~20年以下の懲役です。事後強盗の刑罰も懲役刑しか規定されていません。

窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。

刑法238条

事後強盗罪の典型例は、次のようなものがあげられます。

典型例

  • 万引きをしたあと、店員を突き飛ばして、逃げた。
  • 万引きをした商品の取り返されないために、コンビニ店員を殴った。
  • 窃盗罪で現行犯逮捕されそうになったので、警察官を殴った。
  • 窃盗の機会に、身元が明らかになる物を現場に落とし、被害者から取り返そうとして被害者を殴った。

ちなみに、突き飛ばしたり殴ったりしてケガを負わせると「強盗致傷罪」になってしまいます。強盗致傷罪になると、刑罰はさらに重くなる可能性があります。

昏睡強盗罪は懲役5年以上

昏睡強盗罪(刑法239条)とは、人を昏酔させて財物を奪ったときに犯罪が成立します。

昏睡強盗罪の刑罰は、5年~20年の懲役です。

人を昏酔させてその財物を盗取した者は、強盗として論ずる。

刑法239条

昏睡強盗罪の典型例としては、以下のようなものがあげられます。

典型例

  • 睡眠薬入りのジュースを飲ませて眠らせた被害者から、貴重品を奪った。
  • 泥酔させて、意識がもうろうとする被害者から、財布を奪った。

ただし、意識障害が起きたからといって、何でも昏睡強盗になるわけではありません。

被害者を角材で殴って意識を朦朧とさせて財布を奪ったような事案は、「暴行」が手段といえます。そのため、昏睡強盗罪ではなく、ふつうの強盗罪(刑法236条1項)にあたります。

強盗予備罪は準備だけでも懲役1ヶ月以上

強盗予備罪(刑法237条)とは、強盗を実行する目的で、実行の準備(=予備)をすると成立する犯罪です。実行に着手せずとも、準備を行っただけの場合でも処罰対象となります。

強盗予備罪の刑罰は、1か月~2年以下の懲役です。

強盗の罪を犯す目的で、その予備をした者は、二年以下の懲役に処する。

刑法237条

強盗予備罪の典型例としては、次のようなものになります。

典型例

  • 銀行強盗をする目的でピストルを準備する
  • タクシー強盗をする目的で目出し帽とナイフを準備し、強盗できそうなタクシーを物色する

強盗致傷罪は無期懲役または懲役6年以上

強盗致傷罪(刑法240条前段)とは、強盗を行うタイミングで人に怪我を負わせたときに犯罪が成立します。

強盗致傷罪の刑罰は、無期懲役または6年~20年以下の懲役です。

強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の懲役に(略)処する。

刑法240条前段

強盗致傷罪の典型例としては、次のようなものがあります。

典型例

  • 金品をうばうために、被害者を殴ってケガをさせた。
  • 金品窃取に気づかれ、逃げるために包丁で切りつけた。
  • 犯人から逃げようとした被害者が、自分で転んでケガをした。
  • 犯人が逃げるために、強盗の被害者ではない人(第三者)を突き飛ばしてケガをさせた。

強盗致死罪は死刑または無期懲役

強盗致死罪(刑法240条後段)とは、強盗を行うタイミングで人を死亡させたときに犯罪が成立します。

強盗致死罪の刑罰は、死刑または無期懲役です。

強盗が、人を(略)死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。

刑法240条後段

強盗致死罪の典型例としては、以下のようなものがあげられます。

典型例

  • 強盗の機会のケガが原因で、結果的に死亡させた場合
  • 殺してから金品を奪うつもりで、被害者を殺した場合

強盗・不同意性交等罪は無期または懲役7年以上

強盗・不同意性交等罪(刑法241条1項)とは、強盗と不同意性交等(強姦・口腔性交・肛門性交、膣・肛門への陰茎以外の挿入)が同じ機会におこなわれたときに犯罪が成立します。

強盗・不同意性交等罪の刑罰は、無期懲役または7年~20年以下の懲役です。

強盗の罪若しくはその未遂罪を犯した者が第百七十七の罪若しくはその未遂罪をも犯したとき、又は同条の罪若しくはその未遂罪を犯した者が強盗の罪若しくはその未遂罪をも犯したときは、無期又は七年以上の懲役に処する。

刑法241条1項

強盗・不同意性交等罪が成立するのは、次のようなケースです。

  • 強盗の犯人が不同意性交等の罪を犯したとき
  • 不同意性交等の犯人が強盗を犯したとき

強盗・不同意性交罪では、強盗と不同意性交の順番は問われません。どちらが先でも、両方の罪を犯した場合は、強盗・不同意性交罪が成立します。

強盗・不同意性交等致死罪は死刑または無期懲役

強盗・不同意性交等罪(刑法241条3項)とは、強盗・不同意性交等罪を犯した機会に人を死亡させたときに犯罪が成立します。

強盗・不同意性交等致死罪の刑罰は、死刑または無期懲役です。

第一項の罪に当たる行為により人を死亡させた者は、死刑又は無期懲役に処する。

刑法241条3項

強盗・不同意性交等致死罪は、殺意の有無は問われません。殺意があっても、殺意がなくても、強盗・不同意性交等致死罪が成立します。

強盗の実例からみる刑罰の相場は?執行猶予は付く?

強盗は一発実刑から懲役10年程度まで多種多様?

強盗で受けることになる刑罰の相場は、強盗の内容や事案ごとの事情などによって左右されるものなので、懲役何年程度になるかはここで明言できません。

もっとも、現実には強盗罪のみで10年以上の懲役刑となることはまれです。

たとえば、強盗の初犯でも、被害者に対して被害弁償していないと一発実刑になる可能性は十分あるでしょう。懲役の年数は被害額に応じて変動することもあり、被害額が100万円超なら初犯でも2~3年の懲役、被害額が500万円超なら初犯でも5~10年の懲役の可能性があります。

強盗は初犯でも執行猶予が付かない?

強盗罪で執行猶予が付くかは、強盗の内容や事案ごとの事情などによって左右されます。しかし、被害者に対して被害弁償が行われており、暴行や脅迫の程度がそこまで悪質ではないと判断され、さらに刑が減刑されて3年以下の懲役が言い渡されれば執行猶予が付く可能性はあるでしょう。

そもそも、強盗予備罪をのぞいて、強盗関連の罪の法定刑は懲役5年以上です。言い渡される刑罰が3年以下の懲役などでなければ、執行猶予は付きません。強盗罪で執行猶予を獲得するハードルは高いといえるでしょう。

強盗の逮捕の決め手や逮捕までの期間・時効は?

強盗の逮捕の決め手は映像が証拠?

強盗事件で逮捕の決め手となる証拠の一例を紹介します。

強盗事件の逮捕の決め手(証拠一例)

  • 防犯カメラの映像
  • 犯人の似顔絵
  • 犯人の指紋やDNA型など個人特定に至るもの
  • 関連する事件の証拠(携帯電話の解析など)

強盗が逮捕される決め手となる証拠には、防犯カメラの映像・似顔絵・現場のDNA型などが代表的です。防犯カメラが普及している現代でも、目撃者の似顔絵は有力な証拠となるでしょう。また、強盗事件をおこした際、現場でケガをした等の事情で、現場にDNA型が残る場合もあります。

さらに、ある強盗事件で逮捕された容疑者の取り調べで、別の強盗事件の余罪が明らかになることで、後日逮捕される可能性もあるでしょう。たとえば、強盗致死事件で逮捕・起訴された被告人の持ち物である携帯電話が押収・解析された結果、関連するほかの強盗事件の容疑者が芋づる式に逮捕されたケースもあるのです。

強盗の逮捕までの期間は?

現行犯逮捕されなかった場合、後日逮捕される可能性が残ります。後日逮捕されるまでの期間は個別の事案によって異なるので、ケースバイケースです。

逮捕されるかどうか、逮捕までの期間の長短は、警察の捜査状況に左右されます。

証拠が多く、犯人の足取りがつかみやすいケースでは、強盗事件発生から数日で逮捕されることもあります。

強盗の逮捕の時効は?最長○年?

強盗逮捕の可能性は、公訴時効の成立まで続きます。

公訴時効とは、犯罪終了後、一定の期間が経過すれば、その後は起訴されなくなる制度です。

強盗事件の類型により、公訴時効の期間は異なります。

通常の強盗(刑法236条)の場合、公訴時効は10年です。

刑罰が重くなればなるほど、公訴時効の時効期間は長くなっていく傾向があります。

公訴時効の年数(期限あり)

強盗類型(刑罰)時効
強盗予備(2年以下)3年
強盗(5年以上)10年
強盗利得(5年以上)10年
事後強盗(5年以上)10年
昏睡強盗(5年以上)10年
強盗致傷(無期または6年以上)15年
強盗+不同意性交等(無期または7年以上)20年*

* 旧法「強盗・強制性交等罪」については、時効期間は15年。ただし、現に公訴時効が進行中の事件についても延長された時効期間が適用される。また、不同意性交等の被害者が18歳未満である場合、被害者が18歳に達する日までの期間に相当する期間、時効は延長される。

とくに、強盗事件で人を死亡させた場合は無期限となり、いつまでも逮捕される可能性が続きます。

公訴時効の年数(期限なし)

類型時効
強盗+死亡(死刑または無期懲役)無期限
強盗+不同意性交等+死亡(死刑または無期)無期限

公訴時効に関する法改正により、時効期間が撤廃された犯罪があります。強盗でも、人を死亡させた場合は、公訴時効されています。公訴時効がない犯罪は、いつまでも起訴される可能性がつづきます。

時効はいつから起算するのかや、その他の犯罪の時効年数など刑事事件における時効の基本について知りたい場合は『刑事事件の公訴時効とは?犯罪ごとに何年で時効が完成するのか解説』の記事もあわせてご確認ください。

強盗で逮捕された後の流れは?

(1)逮捕・勾留で最大23日間の拘束

強盗事件でも、とくに人にケガを負わせたり死亡させたりした場合、逮捕される可能性は高いです。逮捕後はすぐに取り調べが始まります。

逮捕の流れ

逮捕に続いて勾留されると、起訴・不起訴の判断がでるまで最長で23日間拘束されて取り調べが続く可能性があります。事件の内容によっては3日間の逮捕ですぐ釈放されて在宅事件に切り替わることもありますが、強盗事件においては勾留される可能性が高いです。

さらに、余罪がある場合は事件ごとに再逮捕が繰り返されることもあるでしょう。逮捕された後の流れについては、『刑事事件の流れを解説!逮捕された場合と逮捕されない場合』の記事もあわせてご覧ください。

取り調べでは、刑事裁判の証拠となる供述調書がとられます。無実の場合の対応や、実際に強盗事件をしてしまった場合の対応など対応は様々です。早期に、弁護士からアドバイスをもらう必要があるでしょう。

弁護士による初回接見のご案内

もし、家族が逮捕されてしまったら、まずは弁護士に初回接見に行ってもらい、状況の確認からはじめましょう。家族でも勾留後なら面会できることも多いですが、複数の共犯者がいる強盗事件の場合、接見禁止処分となる可能性が高いです。逮捕から3日間は家族でも面会できませんが、弁護士なら基本的に逮捕後いつでも面会が可能です。

弁護士による面会では、今後の流れや取り調べを乗り切るためのアドバイスを逮捕されたご本人に直接会って話すことができます。

逮捕されてもぼんやりしていると、手続きがどんどん進められ「気づいた時には起訴されていた」ということも多いです。起訴・不起訴の判断が出るまでに、弁護士に相談して早期釈放や、被害者との示談などできることから対応してもらいましょう。

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(2)起訴・不起訴の判断

逮捕・勾留期間が満了を迎えるまでに、検察官によって起訴・不起訴が判断されることになります。強盗罪で起訴されると正式裁判となり、公開の法廷で審理されることになります。

もっとも、強盗の被害額が低かったり、強盗未遂に終わっており被害者が許していたりするといった事情があれば、不起訴処分となる可能性はあります。不起訴処分になれば、事件はそこで終了し、前科が付くこともありません。

また、事件の内容によっては、強盗罪ではなく傷害罪や窃盗罪で事件が扱われることになれば、略式命令で罰金が科せられて終了する可能性もあるでしょう。

なお、逮捕・勾留されたまま起訴されると、保釈されない限りは基本的に刑事裁判が終わるまで拘束され続けます。起訴後、刑事裁判が行われるまで一時的に釈放されるためには、保釈申請を行い、保釈が認められる必要があります。保釈申請の具体的な方法について詳しくは、『保釈申請の流れとは?保釈が通るまでの日数・時間・手続き方法を解説』の記事をご確認ください。

(3)起訴されると刑事裁判

起訴されてから1ヶ月~2か月後に、刑事裁判の第一回目の公判が行われます。全面的に被疑事実を認めているような場合は、第一回目の公判で審理が終了し、第二回目の公判で判決が言い渡される流れが多いでしょう。

もっとも、複雑な事件であったり、否認事件であったりする場合は、審理すべき内容が多いので、公判が何回も繰り返されることもあります。最終的に判決が言い渡されるまで、数年かかる刑事裁判もあるのです。刑事裁判の流れをわかりやすく解説した記事『刑事裁判の流れを図解!刑事事件の逮捕・勾留・起訴・刑罰までの流れと弁護士活動』もあわせてご確認いただくと、刑事裁判についての理解が深まります。

刑事裁判後の身柄拘束

通常、起訴されると有罪判決となる可能性が極めて高く、悪質な強盗罪の場合は一発実刑となって刑務所に入ることになるでしょう。執行猶予付きの判決が言い渡されれば釈放されるので、すぐさま刑務所に入れられることはありません。

強盗事件を弁護士に相談すべき理由は?

強盗事件は示談成立がむずかしい?

強盗事件は、被害者との示談を成立させるのがむずかしいです。しかし、加害者が示談を申し込んでも、被害者に示談を拒否されるケースも多くなっています。強盗罪は暴行または脅迫という手段を用いて財物を奪う行為なので、被害者が大きな恐怖心を抱いているのは当然です。

たとえ、真摯に謝罪し、被害弁償を申し出たとしても、「強盗犯には厳罰を求めたい」と考えて拒否されることがあります。加害者が直接、被害者に対して連絡を取るのではなく、弁護士に依頼して加害者の代わりに示談交渉を依頼した方がいいでしょう。「弁護士限りでなら示談してもよい」と考える被害者の方もいます。

そもそも、示談は刑事事件の処分に深く影響します。特に、被害者の「宥恕(許し)」も得られた示談であるかどうかは非常に重要です。

示談交渉をするには、被害者の方に連絡をとるだけでなく、示談金の適正な金額を話し合ったり、示談書を作成したりと、やらなければならないことが沢山あります。

示談交渉になれた刑事弁護を扱う弁護士に依頼して、刑事処分によい影響を与える示談を成立させましょう。刑事事件における具体的な示談の進め方については、『刑事事件の示談とはどういうもの?示談の方法や流れ、タイミングを解説』の記事をご覧ください。

強盗事件は不起訴になりにくい?

法定刑が重い強盗罪では、「たとえ被害者が許しを出した示談が成立していても、法廷で審理し、刑罰を与えるべきだ」と考えて起訴することも十分にあり得ます。

しかし、強盗罪だからといって必ず起訴されるとも限りません。被害者に対して謝罪と賠償を尽くしたり、深く反省したりしている点などを検察官に主張することで、不起訴となる可能性を高めることができます。

実際に強盗事件の犯行に関与したケースでも、被害が軽微である場合であれば、示談の成立などによって、起訴猶予になる(≒不起訴になる)可能性は高まるのです。

起訴猶予とは?

起訴猶予とは、検察官の事件処理において、訴訟条件を具備し犯罪が立証できるにもかかわらず、訴追の必要がないとして不起訴にする処分のこと。犯人の性格、年齢、境遇、犯罪の軽重、情状、犯罪後の情況を総合考慮して決定される(刑事訴訟法248条)。

また、仮に起訴された場合でも、示談成立している点は刑罰の重さに影響します。示談成立により、刑罰が軽くなる可能性もあるでしょう。

強盗罪の不起訴率は?

強盗罪で逮捕された事件のうち、令和3年度の統計において不起訴率は56.5%です。

検察に送致された事件のうち半数以上は不起訴になっていることが分かります。

令和3年度の不起訴は?

割合
起訴34.4%
不起訴56.5%
その他9.1%

※令和4年版検察統計「罪名別 被疑事件の既済及び未済の人員」より抜粋
※強盗罪のみの数値で、強盗予備罪や強盗致死罪など強盗に関するその他の罪の数値は含まない

不起訴になるのは、完全に無実であるケースのほか、実際に強盗事件に関与したけれども諸事情から不起訴になるというケース(起訴猶予)もあります。

ちなみに、令和3年度の強盗事件の起訴猶予は12.3%です。

令和3年度の起訴猶予は?

  • 起訴猶予の割合:12.3%

※令和4年版検察統計「罪名別 被疑事件の既済及び未済の人員」より抜粋
※強盗罪のみの数値で、強盗予備罪や強盗致死罪など強盗に関するその他の罪の数値は含まない

強盗事件は原則保釈が認められない?

「権利保釈」という種類の保釈の場合、強盗罪では権利保釈の条件を満たせないので原則保釈が認められません。たとえば、強盗罪の法定刑は「5年以上の有期懲役」ですが、権利保釈には「被告人が死刑又は無期、懲役もしくは禁錮の下限が1年以上に当たる罪を犯した場合ではない」必要があるからです。

ただし、強盗罪だからといって必ず保釈が認められないとは限りません。強盗罪でも、裁判官の裁量で保釈が認められる「裁量保釈」なら、保釈される可能性は残っています。もっとも、裁量保釈が認められるには、保釈後に逃亡のおそれや証拠隠滅のおそれがないことを裁判官に伝えて、説得せねばなりません。

強盗罪で保釈により身柄解放されるためには、裁判官を説得してもらう弁護活動を弁護士に依頼しましょう。

強盗の逮捕の不安を弁護士に相談できる窓口は?

強盗の逮捕について24時間いつでも相談予約できる窓口は?

アトム法律事務所では、24時間365日、相談予約が可能です。

土日、祝日、深夜、早朝、問いません。

強盗の逮捕の不安をお持ちの方、ご家族が強盗で逮捕された方など、今後の流れにご不安をお持ちのことでしょう。

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今後の見通しを立てるには、弁護士に相談するのが一番です。

弁護士には、取調べの対応、被害弁償、示談、自首など、前科や刑罰の重さに影響がある弁護活動について相談できます。

お早目にご相談いただければ、その分、早く弁護活動を開始できるので、早期の不安解消につながります。

ご連絡お待ちしています。

強盗の逮捕について弁護士の所感とは?

アトム法律事務所は、発足当初から刑事事件をあつかってきました。強盗事件をふくめ、刑事事件の弁護活動をおこなってきた実績、ノウハウの蓄積があります。

ぜひ、強盗の逮捕のご不安をお聞かせください。

万引きが見つかって逃げるために、人にケガを負わせてしまい、強盗で逮捕されてしまったというご相談もよくあります。

この場合、ケガの程度がそれほど重くなければ、示談成立により不起訴になる可能性も高まります。

過去に、アトム法律事務所でご相談いただいたケースでは、コンビニで万引きをして逃げる際、店員の方に加療約180日間のケガを負わせてしまった事案がありました。この事案では、示談成立により不起訴になりました。

強盗の逮捕の不安がある方、被害者の方への謝罪や示談でお悩みの方など、今後の方針を立てるためにも、まずは弁護士相談をご活用ください。

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岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了